色づく世界の明日から13話

色づく世界の明日から 第13話「色づく世界の明日から(終)」
各話感想、タイトル一覧へはこちらから。
 「KOHAKU LEVEL77」とは──お茶目さんだ(笑)。そんな感じで最終話です。

 いやー、終わりましたね。ある意味で感想を書く余地がないくらいにシンプルに、そして綺麗に終わったんじゃないかなぁ。や、まあ、ちゃんと感想書きますが(笑)。

 いよいよヒトミちゃんが未来に帰る時がやってきて──魔法写真美術部のメンバーそれぞれがヒトミちゃんと別れの挨拶をする展開が良かったですね。個人的には部長と千草君が好きかな。部長は、あの場面で真っ先に手を挙げて最初に別れの挨拶をするのは、なんともらしいですよね。なんというか「人間ができてるなぁ」と。 

 一方で千草君は相変わらずというか(笑)。ほんと、いい意味で空気を読まないですよね。「もっともっと笑えばいいのに」という千草君に、「これからはきっと大丈夫」と応えるヒトミちゃんが素敵だった。彼女の変化を感じさせます。あと、二人のハイタッチが凄く好きだったりします。

 このまま特に問題もなくいくかと思いきや、最後に一波乱が。といっても、特に不安のある展開ではなかったですが。いや、やっとユイト君が素直になりましたね(笑)。前から思ってはいたけど、この作品ってユイト君が一番の問題児(?)だった気がします^^; ヒトミちゃん以上に自分を押し殺しているというか……成長して自分の思いや気持ちを伝えようとしたヒトミちゃんと違って、最後まで躊躇ってましたからね。まあ、たぶん、不器用なんだろうなぁ。

 そして未来へ──。色々と書きたい事はあるけど、まずなんといってもコハクおばあちゃんの事ですね。「一番近しい人達を幸せにすることが出来なかった」と言う言葉が重たい。未来を知っているからヒトミちゃんの母親にあまり関われなったのか、あるいは色々と解決しようとはしたけど、それでもダメだったのか……なんにせよ、そのお茶目な態度とは裏腹に、長い間色々な思いを抱えていたのだと思うと切ないですね。

 まあ、でもきっと大丈夫なんじゃないかな。ヒトミちゃんが帰ってきたことでコハクおばあちゃんにとって「一つの過去」に区切りがついたともいえるので、これからは新しい「未来」が始まる──そして今のヒトミちゃんなら色々な事にきちんと向き合って、コハクおばあちゃんと一緒に「幸せな未来」を探せる、そんな気がします。

 にしても、タイムカプセルからのシーンはちょっとウルっとしました。特にユイト君の残した絵本。魔法写真美術部のメンバーの面影を感じさせる内容なのが良かったですね。突然のゾンビ部長には吹いたけど^^;

 ラストは魔法写真美術部が復活。積極的に人に関わっていくヒトミちゃんの姿に、「本当に変わったなぁ」と感慨深くなりますね。ほんのりと切なくも、暖かいラストだったかと。

 最終回なので簡単にまとめを。改めて振り返ると、最初から最後まで綺麗な作品でしたね。ドロドロする展開や大きな衝突はなく、全体的に優しさに溢れている、そんな感覚です。それでいてそれぞれのキャラクターの魅力と、その成長も感じられるお話だったかと。個人的にはやっぱりあさぎちゃんが良かったですね。臆病な彼女が、それでも少しずつ勇気を出して前に進んでいく姿が素敵です。たぶん、ヒトミちゃんと同じくらいに成長が描かれてたんじゃないかな。あと、単純に小動物みたいなしぐさが可愛かった(笑)。

 一方でユイト君に関しては、(察せる程度には匂わせつつも)その心情が語られない期間が長かったので若干もどかしさも……。ちなみに、その心情の語られなさが、自分が「この作品で一番の問題児」と思った理由だったりします。まあ、いざ行動すると基本的に「イケメン」でしたが(笑)。部長にも言えるけど、この作品って3年生組が格好いいですよね。いい意味で「大人びている」感じです。

 長くなってきたのでこの辺で。魔法写真美術部のメンバーが皆いい子達で、彼らのやり取りを楽しみながら、最後まで見ていた作品でした。明るい未来を感じさえるラストも良かった。面白かったです。 

 おまけ……エピローグのお墓はユイト君のかな。まあ60年は長いもんなぁ。

 おまけ2……ヒトミちゃんがポッキー(?)を食べるシーンがなんでか好きだったりします(笑)。