ID:INVADED11話

id:INVADED 第11話「STORMED」
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 現実で、イド内で、大忙しだな松岡刑事(笑)。そんな感じで11話です。

 この土壇場で、それでも冷静に思考を重ねていくのはまさしく「名探偵」ですね。井戸端の面々も含めてそれぞれの場所でそれぞれが行動し、少しずつ物事が繋がっていく感覚が面白かった。まだ謎も多いけど「ああ、なるほどー」とか言いながら見てました(笑)。

 さて、少しずつ情報整理を。ここ一連のジョンウォーカーの目的はアナイドことフクダタモツの排除だったみたいですね。サカイドに自我を自覚させることでイド嵐を起こし、その状況下(井戸端スタッフ達の観測外)で殺される事で現実に帰ってこれないようにする、という感じかな。おそらくだけどサカイドもろともイド内で葬るつもりだったんじゃないかな。

 気になるのはアナイドが言っていた「(この状況を)夢で見ていてね」という台詞ですね。雰囲気からするとこれが(少なくとも今回の)ジョン・ウォーカーの干渉なのかな。フクダタモツの自殺願望を見抜いていて、それを利用しようとしていたと。で、アナイドはそれをわかって居ながらも乗った感じで……。

 うーん、ふと思ったのだけど、ジョンウォーカーの関与した(もしくは夢で飛鳥井と接触した)殺人犯達って、自殺願望や自傷願望がある人達なのかな。アナイドは数唱障害からの自殺を試みたようですし、タイマンも自分が傷つくのを求めていた部分もあったみたいだし……。

 顔剥ぎの時のナリヒサゴの「どうしてお前が弱虫で自分の顔を結局削げないのか」の台詞や、他の犯人達についての「他者への殺意がそのままの形で自らに向かうようです」「本人の中で何かが完成」等も考えると、彼らの本質的な望みは「自分自身にそれぞれの方法を実施する(結果としては死亡するだろうけど)」事なのかなと。穴あきは自分の頭に穴をあけたい、顔剥ぎは自分の顔を剥ぎたい、股裂きは──みたいな感じに。

 で、それを踏まえて考えてみると──ジョンウォーカーの干渉とは「本来自分に向けている殺意(衝動)を外側に向けさせる」モノな気がしてます。もしそうならこれまでの(ジョンウォーカーの関与した)殺人犯たちは、殺しの事実は知っていても殺している感覚をもっていない可能性があるんじゃないかな。ワクムスビが検知した殺意も実は「自身に向けられた」モノだった、みたいな?

 ちなみにこれナリヒサゴにも当てはまっていて……ナリヒサゴの殺害方法は「自殺」、つまりナリヒサゴは本質的に「自殺」したいと考えているけど、ジョンウォーカーの干渉で他人を「自殺」させていた──そういう風にも捉えられそうなんですよね。そしてだからこそ、飛鳥井木記の夢に入れたんじゃないかなと。まあ、実際はわかりませんが^^;

 長くなってきたので話を変えて。今回ついにジョンウォーカーの正体が判明。まさかの局長だったとは。いや、怪しすぎて逆にないかなーって思ってました^^; たぶん自分だけじゃないはず(笑)。

 ただ、正体はわかったとして、その目的等はいまだに不明ですね。さすがに自分のこだわりの為だけにワクムスビを開発したり、井戸端を作ったりするのは壮大すぎるというか大げさにも感じます。なので何かしら別の思惑がある気はする。まあなんにせよ、行方不明だった飛鳥井木も登場していよいよ物語の終着が見えてきましたね。これからどうなるのか、次も楽しみです。

 おまけ……「以前お邪魔した時にはなかった写真ですから」しれっと凄い事言った東郷さん(笑)。周りの反応にも笑った。ある意味で一番の癒しキャラなんじゃないかな(笑)。

 おまけ2……「もうからっぽだ」ナリヒサゴの台詞。これがナリヒサゴが自殺を望んでいると思った理由の一つだったりします。