エガオノダイカ12話

エガオノダイカ 第12話「笑顔の代価」
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 捨てたと思ったら拾われた(笑)。そんな感じで最終話です。

 うん、ものすごい力業で戦いが終わりましたね^^; まあこの状況をひっくり返すには他に方法はなかっただろうしなぁ。ただ、ステラがあっさり説得されすぎな気はしました。たしかにステラは生きていくために軍人になった人だし戦いが好きなわけじゃないのはわかる、わかるのだけど――それでも(他に選択肢がなかったとはいえ)「戦う事」自体は受け入れていたと思うんですよね。

 戦いの犠牲や孤児達に境遇に胸を痛める事はあっても――部隊の皆で生き残るため、そして隊長の思いを果たすために戦う。そういう決意でいると思っていたので、今回のユウキとの邂逅であっさりユウキ側についたのはちょっと違和感がありました。せめて普段から戦いを忌避するような描写があれば違ったとは思うのですが……。後、会ったばかりのユウキ達の言葉をそんなに簡単に信頼していいのか、というもあります^^;

 にしても、ラスボスかと思った帝国の皇帝がラスボスでもなんでもなかったという(笑)。や、あんだけ戦う気満々だった皇帝の次の登場シーンが停戦調停なのは、たぶん笑ってもいいんじゃないかなぁ^^; 

 ラストは笑顔で。どう混乱を収めたのかとか、国は機能してるのかとか、そんなにあっさり食べ物が戻るのかとか、色々と気にはなるけど、一応のハッピーエンドという形での終わりでしたね。個人的にはステラ達の部隊に犠牲者が出なかったのは嬉しかったかな。ヒューイとか危ないと思ってたので^^;

 最終話なので軽くまとめを。うーん、登場人物達は割と好きなタイプなのだけど、面白かったかと聞かれたら「ちょっとわからない」というのが本音ですね。個人的にステラサイドの話は結構好きでした。アクションも多かったし、隊員たちの掛け合いも良かったですしね。特に7話が楽しかった。ステラの意外な顔芸には吹いた(笑)。

 一方で、ユウキサイドは状況の説明がメインで、しかも基本的に「暗い」展開ばかりだったこともあり、あまり乗り切れませんでした。主要登場人物的には同じくらいなのに、実質ユウキが話ていたのはレイラさんとハロルドぐらいだったのもちょっと寂しい感じです。(ユウキと)双子との掛け合いとか、もっと見たかったですね。ただ、ユウキサイドのどこかアットホームな雰囲気自体は好きだったりします。

 個別の感想はこの辺で。作品全体で見ると一番に思ったのは「背景」がほとんどわからないという事ですね。特に帝国(という国)。そもそも王国に戦いを仕掛けた理由も不明ですし、「貧しい」と言われている国民の生活も謎のままでしたしね。

 例えば一兵卒の語りという形で「聞いたか、この戦争の本当の理由。皇帝の権威誇示が目的だったらしいぞ。まったくこっちはいい迷惑だ」みたいな話や、実際の帝国で暮らしている人たちの姿が見えれば、もう少しわかりやすかったんじゃないかなぁ、と。そういう背景がぼやけたままだったので、話の本筋に集中できなかった、というのはあったかと。

 長くなってきたのでまとめ。登場人物たちは好きだったのだけど、乗り切れない部分も多く――中でも全体的に曖昧というか、最後まで見た後に「どんな話だった?」と聞かれても、うまく答えられない、どこかもどかしさが残る――そんな作品でした。