グランベルム11話

グランベルム 第11話「たとえさよならが届かなくても」
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 シスイ(ずっとシュスイだと勘違いしてました……)お姉ちゃん、とても「ふふふ」と笑っていた人とは思えない(笑)。そんな感じで11話です。

 10話ラストで登場したシスイお姉ちゃん。どこか天然でちょっと不思議な雰囲気を纏ってましたね。いや、結構好きかも。クオンがお姉ちゃん子になるのも分かる気がする(笑)。と、そのクオンはやはり(シスイにとっても)存在しなかったとこに。せっかく姉が目覚めたのに、これは切ないなぁ。ただ、その名前に反応したのがせめてもの救いか。

 今回は新月の事も色々と判明。とりあえず見ていて一番に思ったのは「ああ、この子、実はすごくポンコツなんだな^^;」でした。生活スキルもだけど、対人関係の臆病さを含めて、どこか「幼さ」を感じます。たぶんだけど、アンナ家を出てからメンタル的な成長があまりないまま今に至ったんじゃないかな。

 もちろん、そう望んだというよりはマギアコナトスの干渉でそうなってしまったというのが近いのだろうけど……。てか、今更だけど新月ってどうやって生活してるんだろう。回想を見る限り、まだ小さい頃にアンナ家を出たみたいですしね。ちょっと気になります。うーん、実はマギアコナトスがこっそり「足長おじさん」をしているとか? や、それはそれでシュールな気もする^^;

 さて、その新月。魔力を消したいと望む理由が判明。正直なところあまりピンとこなかったのですが、魔力で人形に心を持たせようとした事に、あるいは望めば何でも思う通りにできてしまう魔力というものに「それはダメだ」と感じたということかな。だけど同時に、孤独ゆえに自分に寄り添ってくれる相手を魔力の力を使ってでも求めている自分がいたと。

 新月がそのメンタルの弱さを見せる一方で、満月の方がある種の覚悟を決めたみたいですね。自分が消えても「なくならない」モノがあると。今回だけで何度も見せる笑顔がなんとも儚いですね。ただまあ、「私にできるってことは新月ちゃんにもできるってことでしょ」とか「新月ちゃんに切り方教えてあげて」の発言を見ると、ポンコツな新月を成長させようとしている保護者っぽく見えてしまったりも(笑)

 話はいったん変わってキャンプについて。まさか11話にしてこういうほのぼのとした展開が来るとは思ってなかったですね。無表情でチャッカマンをカチャカチャしてるシスイお姉ちゃんがツボだった(笑)。満月による最後の花火の演出も良かったですね。ちょっと幻想的で、でも切ない感じが印象的でした。

 舞台はいよいよ最後の戦いへ。戦いの決着もだけど、新月が最後にどういう選択をするのかが気になります。これまでを振り返ると、新月ってあまり自分で決断するシーンがないんですよね。割と流されてる事が多いというか……「魔力を消したい」にしても、迷っているところに萬月がそうしてほしいと願った側面がありますしね。なので、最後には自分で望む答えを選ぶんじゃないかなと。

 まあ、そもそも本当に望みがかなえられるかもわからないのだけど……。とにもかくにも後2話、どんな展開になるのか次も楽しみです。

 おまけ……「切った野菜を渡してくるね」希望の台詞。ここだけ満月に対して敬語が外れてるのが、少しだけ姉妹に戻ったみたいで印象的でした。