エアリエル

エアリアル―緋翼は風に踊る― 上野遊 電撃文庫 2010年6月10日

エアリエル―緋翼は風に踊る (電撃文庫)

エアリエル―緋翼は風に踊る (電撃文庫)

☆☆☆☆☆
 大陸の南端に位置するストーリア王国。その国では今、反乱勢力“レヴァンテ”が各地で反抗活動を繰りひろげていた。カメラマン志望の少年マコトは、政府軍とレヴァンテの小競り合いに巻き込まれる。その現場でマコトはレヴァンテのエースパイロット・ミリアムと出会う。自分と同い年その美しい少女に目を奪われたマコトは彼女を撮りたいと思い――。
 『彼女は帰国子女』の著者上野遊先生の新シリーズ『エアリエル』です。これはまずまずな面白さでした。
 一言でいうなら、カメラマン志望の少年マコトと怪我で足に障害を持つエースパイロットの少女・ミリアムが織りなすボーイミーツガールものだったかと。反抗勢力とか飛行機による戦闘などがありますが、殺伐とした雰囲気ではなかったですね。どちらかというとまったりしていました。
 ストーリーは面白かったのですが、すこし盛り上がりに欠けていたようにも感じました。全体的にあっさり風味でした。マコトとミリアムの交流も少し物足りないかなーと。あとマコトが影薄いですね(笑)。ミリアムのほうが主人公していたような気もします。序盤中盤にかけて彼女の事情にスポットがあたっているからか、よけいにそう感じましたね。個人的には、序盤であったような我を忘れるほどの写真バカぶりをもっと見せてほしかったです。
 おそらくシリーズモノだと思うので、続きも読んでみたいです。