オオカミさんととっても乙女な分福茶釜

オオカミさんととっても乙女な分福茶釜 沖田雅 電撃文庫 2009年5月10日

オオカミさんととっても乙女な分福茶釜 (電撃文庫)

オオカミさんととっても乙女な分福茶釜 (電撃文庫)

☆☆☆☆☆
 御伽学園大文化祭が始まる時期が近付いてきた。そんな折、おおかみさん達にひとつの依頼がはいった。それはゴージャスな美人な田貫さん(オカマ)の恋の手伝いをしてほしいということ。そして、そのための作戦はなぜか女装コンテストで優勝することで……。
 おおかみさんと愉快な仲間たちが活躍する「オオカミさん」シリーズの8冊目。『オオカミさんととっても乙女な分福茶釜』です。これはまずまずな面白さでした。今回は文化祭を舞台にしたエピソードです。
 相変わらず個性的なキャラクターたちのやり取りは読んでいて楽しいですね。ただ、シリーズが進むごとに地の文のテンションについていけなくなっている自分がいたりします(苦笑)。それはそうと短編形式なので、以下それぞれ簡単に感想。
 「りんごさんおむずびころりん対決で勝利を目指すことになる」・・・りんごさんと宇佐見さんの真の腐れロリ対決なお話。りんごさん、暴走しすぎですよ(笑)。てか、男子クラスメイトをさりげなく誘導していく手腕はすごいですねー。
 「おおかみさんお釜のぶんぶく茶釜の手伝いをすることになる」・・・お釜だけど、乙女な田貫さんのお話。一番印象的だったのは田貫さんのアプローチ(?)にたじたじな亮士君と、それを見ていたおおかみさんの反応だったり。オオカミさん、わかりやすすぎですよ(笑)。
 「おおかみさんお祭りで『あの人は今』をやることになる」・・・タイトル通り既刊で登場した人たちは今何をしているのか、といったことが分かるお話……でありつつも、要はおおかみさんと亮士君(女装中)が学園祭デートをするお話。周りは皆デートだと分かってるのに、ひとり用意された言い訳をかたくなに貫くおおかみさんが楽しいですね。が、おおかみさんが本領を発揮するのはこの話の「おまけ」の部分でした。いやー、なんて可愛い生き物なんだっ(笑)。
 「おおかみさんりんごさんに嵌められてアラジンに出場することになる」・・・障害物レース(ペア)に出場することになったおおかみさんと亮士君のお話。最後のオチに笑った。周りが「これはないわー」ってなるのもうなずけますねー。
 そんな感じで、テンションについていけないと言いつつも、なんだかんだで楽しめました。なので、これからも読んでいきたいです。