付喪堂骨董店(5)

 付喪堂骨董店(5) 御堂彰彦 電撃文庫 2009年1月10日

付喪堂骨董店〈5〉―“不思議”取り扱います (電撃文庫)

付喪堂骨董店〈5〉―“不思議”取り扱います (電撃文庫)

☆☆☆☆☆☆ アンティークと呼ばれる不思議な力を秘めた器物。その偽物を扱う付喪堂骨董店は今日も閑古鳥が鳴いていた。ある日、学校からもちよったパソコンを見ていた刻也はとあるブログを発見した。そこには幸運のバングルを買ったら運が良くなったという記事があり、その画像を見た都和子さんが「アンティーク」かもしれないと言い出して――。
 不思議な器物アンティークをめぐる物語『付喪堂骨董店』その5冊目です。今回もなかなか面白かったですね。短編形式なのでそれぞれ簡単に感想を。
 第1話「幸運」・・・身につけると幸運になれるというバングルにまつわるお話。ミステリーみたいな感じで面白かったですね。また、ところどころで咲さんが魅せてくれます。素敵だ(笑)。あと、今後にも関わりそうな人物が出てきた話だったかと。少しずつ物語が動き出すのかな。気になります。
 第2話「希望」・・・世界中の悪意が詰まっているという「災厄の壺」のお話。なんというかコメントに困る話。切ないとか、悲しいとか、そういう感じ方ができるエピソードだと思うのですが、そう感じるには物語全体が短いなというのが正直なところ。どちらかというと次の3話へと続くための序章的な位置づけなのかも。
 第3話「言葉」・・・2話とつながりのあるエピソードです。個人的にはメインとなっているお話よりも、咲の不安定さが気になりました。あの咲の言動には、きっと彼女に関わりのあるアンティークが影響してるんだと思うのですが、いまの時点ではなんともいえないですね。読んでいて、不安を煽ります。
 第4話「本音」・・・恒例の咲が可愛いお話(笑)。今回は都和子さんの業務命令でお互いの服を選ぶことになった咲と刻也のエピソードです。いや、2人が初々しくてニヤニヤが止まりませんねー。てか、刻也格好つけすぎだー。
 そんな感じで今回も楽しめました。続きも楽しみ。