機関鬼神アカツキ

機関鬼神アカツキ 榊一郎 ファミ通文庫2014年1月7日

☆☆☆☆☆
 戦乱の時代は終わり天下が徳河のものとなっておおよそ20年。少年暁月は黒い機関甲冑<紅月>を駆り仇敵を追っていた。仇の情報をつかんだ暁月は安芸(あき)の国へと赴く。一方、幕府の軍神こと天部衆の朽葉詩織もまた、頻発する神隠しの調査で同じ国へとやってきていた。そして――そこで暁月は一人の少女沙霧と出会い……。
 『スクラップド・プリンセス』や『棺姫のチャイカ』などの榊一郎先生による新シリーズ『機関鬼神アカツキ』です。で、早速感想。これはまずまずな面白さでした。シリーズの1巻ということもあり、完全に続きものだったかと。
 世界観はパラレルな戦国時代(実際は戦国時代が終わりかけてますが)といったところでしょうか。いわゆるロボットが出てきたり、導術という魔法のようなものがあったりします。
 率直な感想を言うと「面白くなりそうだけど、まだなんともいえない」というのが本音ですね。というのも、この巻は暁月や詩織たちの人物紹介や舞台の時代背景などの説明が中心で、物語が動き始めたということろで次巻に続く、になっているからです。とはいえ登場人物たちはみんな好感触でしたね。個人的には天部衆の詩織が好きかも。なにを「やらかした」のかと思えばそんなことをしていたとは(笑)。
 物語のキーになりそうな沙霧の秘密や、鬼である暁月が持っている<紅月>のことなど気になることも多いので、これからどういった展開を迎えるのか続きも楽しみです。