はるかかなたの年代記

はるかかなたの年代記 双貌のスヴァローグ 白川敏行 集英社スーパーダッシュ文庫 2010年6月30日

☆☆☆☆☆☆ 
 フラムスティード学院の入学式。女性的な容姿で悩む少年・ユウは、不良に絡まれる子供を庇う少女・カティアに出会う。超常能力の<換象>を使いユウ達に襲いかかる不良たち。その危機を救ったのはクリスという少年だった。これを縁に三人で共に学園生活を送ることになったユウ達。しかし、3人にはそれぞれ人には言えない秘密があって――。
 『シリアスレイジ』の著者白川敏行先生の新シリーズ『はるかかなたの年代記』です。これはなかなか面白かったですね。
 登場人物達が魅力的でした。まずユウと彼が宿している「チョールト」の掛け合いが良かったですね。「チョールト」は口は悪いし、性格もよくないけれど、それでもユウの成長をしっかりと見守っている感じ。一方ユウもユウで「チョールト」に頼るだけではなく、自分で努力することも忘れない。そんな二人の関係が素敵でした。
 また他の登場人物たちも良かったですね。個人的には会長であるアレットが印象的。まさしくユウの「良き先輩」である彼女なのだけど、そんな彼女がユウのいないところで見せる乙女な姿が素敵(笑)。
 ストーリーそのものも面白かったので、これからの展開がとても楽しみです。