スクランブル・ウィザード(4)

スクランブル・ウィザード(4) すえばしけん HJ文庫 2009年7月1日

スクランブル・ウィザード4 (HJ文庫)

スクランブル・ウィザード4 (HJ文庫)

☆☆☆☆☆☆
 十郎の姉であり、天才魔法士・一花がついに姿を現した。その圧倒的な力で世間を騒がす一花。一方、十郎はこの事態に危機感を感じ、月子をわざと突き放すが……。
 魔法士養成学校で教師をすることになった十郎と、そこで出会った少女月子が活躍する『スクランブル・ウィザード』その4冊目です。今回もなかなか面白かったですね。
 前回が衝撃のラストで、どんな展開になるのだろうと思っていたのですが、印象としては割と落ち着いていた展開でしたね。一花が起こす事件を中心としつつ、十郎や月子の心情とか、かつて一花とともにいた人たちの思いも描かれていたかと。
 一花のことはなんともやるせないですね。やっていることはもちろん許されることじゃないのだけど、彼女が置かれていた状況を考えると……他にどうすることもできなかったのかもしれないなと思ったりも。
 一方、今回の件で図らずも有名人になってしまった月子は、これからが大変そうです。とくにに頼れる味方が少なく、そのくせ利用しようとする者たちは多そうですからね。それでも十郎と協力して、なんとか頑張っていってほしいです。なのでこれからの展開にも期待です。