精恋三国志

精恋三国志 奈々愁仁子 電撃文庫 2010年4月10日

精恋三国志〈1〉 (電撃文庫)

精恋三国志〈1〉 (電撃文庫)

☆☆☆☆☆☆
 放浪の武芸者として旅をしていた若き趙雲が出会ったのは、優音という名の少女。彼女は地竜・玄武の養い子で、亜麻色の髪と蒼い眼をした美しい少女だった。彼女と玄武に助けられた趙雲は、玄武のたのみによって、大きな力を持つ六曜石を取り戻すために、優音と共に旅にでるが……。
 第十六回電撃小説大賞電撃文庫マガジン賞受賞作『精恋三国志』です。これはなかなか面白かったですね。
 「三国志」については、かなり前に少し本を読んだくらい(あとは、某無双なゲームとかで遊んだくらい)であまり詳しくはないのですが、これはとくに知識がなくても楽しめる類の物語だったかと。あくまで趙雲と優音の物語といったところ。
 武に優れ、それでいて爽やかな好青年である趙雲と、あまり人と接したことのない優音の交流が良かったですね。すこしずつ打ち解けていく2人の姿が微笑ましい。
 ストーリーは、戦とかもあったりするけど重苦しさはなくて、どちらかというと爽快な印象でした。また、終盤はほんのりと切ない雰囲気もあり、どうなるのかと少しハラハラしていたりもしました。終わり方も良かったですね。
 そんな感じで、最後まで楽しめた作品でした。続きもあるということなので、次も読んでみたいです。