ストラトスフィア・エデン

ストラトスフィア・エデン 鳥居羊 HJ文庫 2010年4月1日

ストラトスフィア・エデン (HJ文庫)

ストラトスフィア・エデン (HJ文庫)

☆☆☆☆☆
 10年前に突如現れた謎の異世界生命体「D」。「D」と戦うために国連空軍に属する14才の少年・カナタ。アビオ・スケルトンと呼ばれる人型兵器に乗って訓練を繰り返す傍らで、普通に学校にも通うカナタ。ある日、そんなカナタのクラスに転校生がやってきた。葉月という名のその少女は、周りから災厄の魔女と恐れられていて……。
 『SAS』の著者鳥居羊先生による新シリーズ『ストラトスフィア・エデン』です。これはまずまずな面白さでした。
 1巻を読んだ感じでは、ストーリーはカナタと葉月の2人によるボーイミーツガール的なものだったかと。凍てついた葉月の心を、純真無垢なカナタが溶かしていく、そんなお話。少しずつ変化していく葉月の心情が良かったです。
 一方で、(今のところ)カナタの心情は今一つわからないですね。まさしく純真といった雰囲気をまとっているんだけど、それだけに何か得体の知れないモノがあったかと。この辺りはこれから明らかになっていくのでしょうか。
 それはそうと、謎の存在「D」とか、アビオ・スケルトンとか、その辺は読んでいてなんとなく『蒼穹のファフナー』を連想したりしました。なんだか壮大なストーリ―展開になりそうです。
 シリーズモノの1巻ということもあってか、全体的に序章といった具合でカナタと葉月の交流が中心だったかと。そのせいか、少し物足りないかなと思う部分も……。とはいえ、こういう作品は結構好みだったりするので、これからの展開にも期待です。