クロス・リンク

 クロス・リンク 残響少女 星野彼方 HJ文庫 2010年3月1日

クロス・リンク~残響少女 (HJ文庫)

クロス・リンク~残響少女 (HJ文庫)

☆☆☆☆☆
 父の教育により、高校生ながら一流の交渉人として活躍する高須賀洋介。そんな彼のもとに持ち込まれたのは、学校を占拠した未知の生命体との交渉だった。さっそく交渉を開始する洋介だが、混乱の中、未知の生命体に襲われて体を乗っ取られてしまう。そして、目を覚ました時、そこにはかつて救えなかった幼馴染とそっくりな少女シホがいて……。
 第2回ノベルジャパン大賞特別賞受賞の星野彼方先生のデビュー作『クロス・リンク』です。これはまずまずな面白さでした。
 交渉人として数々の事件を解決してきた高校生・洋介のもとに舞い込んできたのは、未知の生物との交渉だった……。この未知の生物との交渉というのが面白いですね。ただ、この「交渉」の他に、洋介の過去の経験からくる心情などが中心の部分でもあったかと。その影響か、どこか抽象的な表現が多くて若干乗り切れないと感じたりもしました。とはいえ、色々とありつつも迎えた終盤の「交渉」が良かったですね。格好いいです。
 シリーズ展開もありえるようなので、次があるなら読んでみたいです。