記録の森のエリス

記憶の森のエリス ブラコン×記憶力ゼロ→大迷走 七瀬川夏吉 角川スニーカー文庫 2009年11月1日

☆☆☆☆☆
 「記憶の森」――そこはあらゆる記憶が収められる場所。ある者は記憶を消すために、ある者は記憶を思い出すために「記憶の森」を訪れる。エリスはそんな「記憶の森」の守人だった。そして、今日もパートナーのカガミが連れてきた依頼人がやってきて。
 ブラコンのエリスと、記憶力ゼロな胸フェチのカガミが活躍する『記憶の森のエリス』です。これはまずまずな面白さでした。ただ、若干乗り切れなかった感じも……。
 いきなり全裸会議から始ったり、記憶の森の設定の大きさの割には舞台が一つ街だったりで、序盤は「これはちょっと合わないかな」と思っていたのですが、読んでるうちに何だかんだで割と楽しんでました。エリスとカガミの掛け合いがいい感じだったかと。
 ストーリーは、最初のほうは「記憶の森」へやってくる依頼をエリスたちがこなしていくものなのですが、終盤は意外な方向へ進んでいったかと。ただ、全体的に盛り上がりに欠けているようにも感じました。とはいえ、行方不明のカイル君のこととか、カガミの秘密とか、またこれからどういう風に展開していくのかなど、いろいろと気になる部分もあるので、続きも買うと思います。