星図詠のリーナ

星図詠のリーナ 川口士 一迅社文庫 2009年5月1日

星図詠のリーナ (一迅社文庫)

星図詠のリーナ (一迅社文庫)

☆☆☆☆☆☆
 父王の命を受け、地図をつくるために辺境の街へと向かう若き王女リーナ一行。しかし、その道中なぞの一団から襲撃を受ける。あわやというところで旅の傭兵ダールに助けられたリーナは、彼を護衛として雇い目的の街マジェクへと向かうのだった。
 『ライタークロイス』の作者川口士先生の新作『星図詠のリーナ』です。これはなかなか面白かったですね。
 まず、主人公が地図を描く人(身分は王女だけど)っていうのが印象的でした。で、そんな彼女が辺境の町へ地図作成のためにやってきたのだけど、総督府のアンセルムはあまり協力的ではなくて・・・といった感じのストーリー。ストーリ―全体ではとりたてて派手というものはないのですが、地図を作っているときのリーナがとても楽しそうで、こちらも読んでいて楽しくなってくる、そんな作品かと。そういえば、「昔最後に地図を描く教育番組みたいのがあったなー」とか思だしてみたり。また、リーナをはじめ登場人物たちも魅力的でした。とくにダールと老騎士タルブの憎まれ口の叩きあいがいい感じです。
 まとめ。魅力的な人物たちのやり取りや、地図を描く作業が楽しくて、最後まで一気に読めた作品。個人的には『ライタークロイス』シリーズより好みに合ってますね。ぜひともシリーズ化してほしいです。