インスペクター・ブラック

 神曲奏界ポリフォニカ インスペクター・ブラック 大迫純一 GA文庫2006年6月30

☆☆☆☆☆☆ 希代の神曲学士オゾネ・クデンダルが後頭部を撃たれ死亡した。その犯人の第一候補に挙がったのは、彼の契約精霊ニウレキナだった。アリバイもなく決定的な状況。彼女が犯人であることは疑いないように見えた。だが、彼女の瞳に映るオゾネへの愛と絶望を見たとき、2人の刑事が立ち上がる。

 いまや膨大なシェアワールドを展開しているポリフォニカシリーズで通称「黒ポリ」と言われてるシリーズの第1作です。これはなかなか面白かったですね。巨漢のマナガと、小さなマティアが活躍するお話。
 まず、メインであるマナガとマティアの2人が良かったですね。たくさん描写されているわけではないのですが、2人の距離感がいい感じでした。とくにマナガの前だと素直に感情を表すマティアが可愛いー。あと、イラストも素敵。
 一方で、ストーリーのほうも楽しめました。最初から犯人の視点で始まるので誰が犯人かは分かるのですが、どういう手段を用いたかが分からないから、それを起点にミステリーっぽくて良かったですね。また、犯人視点でのマナガたちとの会話は、犯人側の心情が分かって面白かったです。
 現在、結構な数のシリーズが出ているみたいなので、折をみて読んでいきたいです。