エーコと[トオル]と部活の時間

エーコと[トオル]と部活の時間柳田狐狗狸 電撃文庫

エーコと【トオル】と部活の時間。 (電撃文庫)

エーコと【トオル】と部活の時間。 (電撃文庫)

☆☆☆☆☆☆
 半年前の事件のせいでクラスで孤立した少女[エーコ]は、ある日、入部した科学部で喋る人体模型[トオル君]と知り合う。[トオル君]は[エーコ]に自分は「友達だ」と主張。なにかと話しかけてくる[トオル君]との日々を過ごす[エーコ]だったが、ある日、校内で女生徒が自然発火する事件が起こり……。
 第19回電撃小説大賞金賞受賞作品『エーコと[トオル]と部活の時間』です。これはなかなか面白かったですね。
 まず雰囲気が良かったです。[エーコ]の一人称で語られるのですが、彼女の性格もあってかどこか落ち着いた雰囲気だったかと。
 登場人物たちも魅力的でした。とくに[エーコ]としゃべる人体模型である[トオル君]が良かったですね。二人の掛け合いが楽しいです。[エーコ]は過去の出来事から冷めた性格になりいろいろと悟ってしまっている部分もあるのだけど、まったく感情が動かないわけではなく、さらには思いのほか行動的だったりしたのが印象的でした。
 ストーリーも良かったですね。ミステリーとしては割とオーソドックスな印象でした(言うほどミステリーは読まないのですが)。なかなかほろ苦いラストも良かったです。
 すでに2巻も出ているので、次も読んでみたいです。