死想図書館のリヴル・ブランシェ

死想図書館のリヴル・ブランシェ 折口良乃 電撃文庫 2010年4月10日

☆☆☆☆
 脅威的な速記能力をもつ少年イツキ。その能力のために、彼は死想図書館から逃げ出した死書を封印するための「筆記官(ライター)」に選ばれる。そんな彼に隷属するのはメイド服を着た無表情なリヴル・ブランシェで――。
 『九罰の悪魔召喚術』の折口良乃先生による新シリーズ『死想図書館のリヴル・ブランシェ』です。さっそく感想。これはちょっと乗りきれなかったですね。少し好みとは違いました。
 ストーリーは、速記能力を持つ少年が、異界(?)にある死想図書館から抜け出した「死書」を封印するために、従僕であるメイド・リヴルと共に闘うお話かと。「死書」としてクトゥルフ北欧神話なども登場します。
 読んでいて(一番)合わないなーと思ったのは主人公ですね。彼の一人称視点で物語は進むのですが、その一人称がちょっと好みではなかったです。なんていうか、シリアスなのかそうじゃないのかイマイチわからない、そんな感覚がありました。また、彼の心情もあまり共感できなかったですね。とくに幼馴染との関係のこととかが……色々ともやもやするものがありました。
 そんな感じで、個人的にはあまり合わない作品でした。