ロウきゅーぶ!

ロウきゅーぶ! 蒼山サグ 電撃文庫 2009年2月10日

ロウきゅーぶ! (電撃文庫)

ロウきゅーぶ! (電撃文庫)

☆☆☆☆☆☆☆
 高校入学早々、長部長の不祥事でバスケ部が1年間の活動停止になってしまい、部活を失った長谷川昴。すっかりやる気を失っていた昴は、叔母である美星に半ば強制的に頼みごとをされ、小学校の女子バスケ部のコーチをすることになってしまい。
 第15回電撃大賞銀賞受賞作『ロウきゅーぶ!』です。これはとても面白かったですね。気がつけば一気に読み終えてました。
 なんとも良質で熱いスポコンでした。最初はなりゆきで引き受けたコーチ。でも、窮地に立たされた女子バスケ部と彼女たちの思いを知り本気でコーチをえすることになる展開が良かった。また、女子バスケ部をはじめ登場人物たちも素敵でしたね。個人的には女子バスケ部で唯一の経験者である智花が印象的でした。普段はおとなしいのだけど実は・・・というところが素敵。
 まとめ。いろいろと超人化している美星とか、個性的なメンバーとのやりとりとかコメディとしても楽しめて、それでいてスポコンらしい熱い展開もある、そんな作品。とくに最後の試合はドキドキしっぱなしでした。面白かったです。
 印象に残った台詞(以下反転)――「おかえり、昴」――美星のセリフ。これだけ抜き出してもなんともないですが、ストーリー上の展開もあってかこの台詞はすごく胸に響きました。なんていうか、もう読んでいてにやけそうになった(笑)。