SSSS.DYNAZENON 第10話「思い残した記憶って、なに？」
各話感想、タイトル一覧へはこちらから。
とりあえず、あの水門は立ち入り禁止にするべきだよなぁ（苦笑）。そんな感じで10話です。
OPなしに始まり、優性思想メンバーが消えて、ユメちゃん達も消えて──人を過去に閉じ込める怪獣の登場に、色々な「答え合わせ」を匂わせる展開でしたね。
さて、何から書くか。やっぱりまずは先輩からかな。今回はそれぞれ過去と対面する話でもあるのですが、ユメちゃんやガウマが（ヨモギの介入があるまで）その過去をなぞるように行動していたのに対し、先輩がその行動を変えていたのが印象的でした。先輩にとって、あの時に「逃げた」ことはそれだけ大きなトラウマ、あるいは後悔を招いた出来事だったという事かな。まあ、その結果、割と情けない姿を見せてしまったような気もしますが……。
結局の所、中学時代の先輩は真面目な少年だったんだろうなぁ。お札の束を見て「まあ、偽札だろうなぁ」と思っていたバイトリーダーとは最初から立ち位置が違ったというか……バイトリーダー的には（あまりお行儀のよくない事をしている件も含めて）「ちょっとした冒険」ぐらいのノリだったんだと思う。なんだろう、すごく身も蓋もない言い方をすれば、バイトリーダーの思春期ゆえの言動に巻き込まれたとも言えるかも。……うん、魔性の女だな（笑）。
ただまあ、（はっきりとした描写はありませんが）それが理由で先輩が無職になっていたのなら、それはそれで「ちょっと引きずりすぎなんじゃ……」と思う部分もあったり。や、いつだったか書いた気もしますが、先輩の回想での経験と無職な理由が上手く繋がらないんですよね。とはいえ、そんな先輩も今回で踏ん切りがついた感じで。やたらと強調されていた足の傷は「痛みを抱えて進んでいく」という表れなのかな。
次はガウマと優性思想について。彼らの背景が朧気ながら見えてきましたね。怪獣使いとしての力を国に利用され、その挙句に存在を消されようとした。で、そんな状況でジュウガ達は国に反旗を翻し、ガウマはそんな彼らを止めようとした、と。おそらくこれであっているはず。それにしても、チラッとだけ見えた回想が、ガウマも含めて仲が良さそうだったのが切ないなぁ。雨の日の戦いは誰もが心に涙をながしていた、そんな演出だったかと。
また、その過去おいても異質だったのがシズムですね。一応存在はしていたけど一言も喋らなかったですし、倒されたシーンもなかったという。いや、これ案外、シズムだけは死んでいない可能性もあるんじゃ……？ 思えば「怪獣が必要とする世界」という台詞もシズムだけが言っていた事ですし、もしかしたらジュウガ達の思想とは違う意味が含まれていたのかも。うーん、実際はまだわからないけれど、何かしらシズム独自の思惑はありそうですね。個人的には、他の優性思想のメンバーのために何かを成そうとしてるのかな、という気はしてます。
ラストはユメちゃんとカノ。「カノに死んでほしくないんだ」ユメちゃんにとって、これが全てだったんだろうなぁ。約束の事、合唱部の事、普段は見せない姉の一面──その答えを求めていたのは、姉の死を受け止め切れてなかったからなんじゃないかな。たぶんだけど、「現実観がない」という状態を5年間ずっと抱えていたんだと思う。だからこそ、過去の世界でようやく本音を言えて、色々な事を知って、改めて「姉の死」を現実として受け止めた、と。
にしても、カノはすごく不器用というかなんというか……。ただまあ、色々と思う所はあるけれど、今回の話で自分なりのペースで頑張っていたというのが分かったのは良かったかな。あと、カノの（過去の）ユメちゃんへの接し方は、今のユメちゃんがヨモギをスルーしてた時の状況に似ている気がする。なので、やっぱりちょっと似た者姉妹なのかもと思ったり(笑)。
ヨモギの活躍もあり現実へと帰ってきたガウマ達。そして怪獣との戦いへ。戦闘自体は短かったですが、最終決戦みたいな熱さがあって面白かったですね。台詞がシンクロするヨモギとユメちゃんにニヤニヤです。
長くなってきたのでこの辺で。今回のヨモギの活躍を思うと、ヨモギ自身の家族との確執はそこまでピックアップされない気もしますね。ユメちゃんもいますし、割とあっさり乗り越えていくんじゃないかな。とすると、残りは優性思想との決着とその先の展開へ……となりそうだけど果たして。てか、今回のラストのシーンが意味深すぎるなぁ。まあ何にせよ、これからも楽しみです。
おまけ……今回の話の、どこか静かに淡々と進んでいく雰囲気は、TV版エ〇ァの11話を思い出しました（笑）。
おまけ２……1話でのユメちゃんの約束破りだけど、今思うと「約束を破る事で姉の気持ちを知ろうとした」という事なのかな。
おまけ３……ナイト君颯爽登場から即退場にちょっと笑ったのは自分だけじゃないはず（笑）。
