天鏡のアルデラミン2

天鏡のアルデラミンⅡ 宇野朴人 電撃文庫2012年11月10日

☆☆☆☆☆☆☆
 実戦経験を積むために、帝国最北の基地へと派遣されたイクタ達。夜盗や山岳民族「シナーク族」の監視するだけの総じて暇な任地のはずだったが、長年抑圧されてきたシナーク族の怒りが爆発、帝国に対し宣戦を布告。最初は待機だったイクタ達も、戦線が長引いたことで前線へと赴くことになり……。
 イクタ達騎士団が活躍する物語『天鏡のアルデラミン』その2冊目です。これはとても面白かったですね。
 いや、まさかここまで過酷な状況になるとは思いませんでしたね。序盤は新しい任地でも相変わらずなイクタや騎士団の面々のやり取りをほのぼのと読んでいたのですが、シナーク族との戦いが始まり否応なく戦場へと駆り出されるにつれて、どんどん状況が過酷なっていき どうなってしまうのかとドキドキしながら読んでました。
最初は後方からの支援だったはずが、いつの間にか最前線まで赴くことになった騎士団。それぞれ今回の件で抱えているものはあるだろうけど、なかでもイクタの心情がつらいですね。冷静だし時には非情な命令も出せるけど、かといって感情まで冷徹なわけではなく……そんな彼が体験した中盤の展開はなかなか胸にくるものがあります。
 そしてそんな過酷な状況だけど、騎士団の面々はなんだかんで仲がよくて、その掛け合いが楽しいですね。とくにイクタ、マシュー、トルウェイの「勇者or戦士」の件には笑った。
 まとめ。序盤はほのぼのしつつ、中盤以降はどうなってしまうのかと気になる展開で、最後まで一気に読めました。これからも楽しみです(と言いつつ、実はこれを書いている時点で、6巻まで読んでいたりするのですが)。