ストレンジムーン3

ストレンジムーン3 渡瀬草一郎 電撃文庫 2014年6月10日

☆☆☆☆☆☆
 混迷する状況の中、再び皇帝一派に捕まってしまう玲音。しかも探していた「リコルドリク」はすでに彼らの手に渡っていて――。なんとか状況を打開するために、玲音、将軍・皓月ある交渉を持ち掛けて――。
 「マリアンヌの宝石箱」を端とする騒動に巻き込まれた玲音と仲間たちの物語『ストレンジムーン』その3冊目にして一応の完結巻です。これはなかなか面白かったですね。
 玲音たちは結構追いつめられているのだけど、その中でも自分にできることを最大限やろうとする玲音が良かったですね。なんだかんだで周りの評価が高いのもうなずけるといった感じです。まあくろとら君曰く「女難の相」なので、その辺は大変そうでしたが(笑)。
 今回も結構な分量があるのだけれど、登場人物たちの掛け合いを楽しみつつ、どんどんと変化する状況が面白くて最後まで一気に読めました。ただ、あとがきでも触れられてますが、今まで以上に「パラサイトムーン」シリーズ関係の話が多くて、シリーズを読んでいればもっと楽しめたのかなと思った部分も。
 それはそうとあらすじと巻末でのくろとら君に笑った。なんて味のある人物なんだ(笑)。
 今回での騒動は一応の終わりを迎えたわけですが、まだまだ問題はありそうで……もし今後に続く何かがあるのなら是非とも読んでみたいですね。まあそれはともかく。魅力的な人物達が織りなす群雄劇といった感じでシリーズ通して最後まで楽しめました。