ロストウィッチ・ブライドマジカル2

ロストウィッチ・ブライドマジカル2 藤原祐 電撃文庫 2014年1月10日

☆☆☆☆☆☆
 遠い異界「魔法の国」で起こった「女王のための統合戦争」に巻き込まれ魔女(ウィッチ)となった少女たち。そんな魔女のひとり水菜は仲間たちとともにその戦争を終わらすために活動していた。ある日、雉子野中学で流れる「呪いの噂」に魔女の関与を感じた水菜たちはさっそく調査を開始するが……。
 異世界の戦争に巻き込まれ魔女となった少女たちの物語『ロストウィッチ・ブライドマジカル』その2冊目です。今回もなかなか面白かったですね。
 学校に広がっている噂から始まって、どんどんと変化する展開で最後まで一気に読めました。なんというか「ままならないなー」というのが読んだあとの感想ですね。とくに中盤は「もう少し何かがちがっていれば違う結果があったかもしれない」といった感じで、事がうまく収まりそうでこじれてしまう、そんな展開がもどかしい。
 それはそうと今回は姉妹である耶麻音と栞が良かったですね。複雑な家庭環境のせいもあって反発しあうことばかりの二人だけど、その心の奥底では相手への思いがある、そんな関係が素敵です。なんというか不器用だなぁ。
 そして終盤、「彼女」が登場してからの展開が印象的でした。それまでの相手と自分の魔法を考えつつの読みあいみたいな戦いのなかで、まさに「彼女」は圧巻でしたね。おぞましくも美しいといった感じでしょうか、読んでいて思わず「うわぁ」ってなりました。
 これからどんな展開になるのか続きも楽しみです。