我が家のダンジョン

我が家のダンジョン 天羽伊吹清 電撃文庫 2014年3月8日

☆☆☆☆☆☆
 ある時期を境に世界に大量のダンジョンが発生し、世の中に魔物や魔法がはびこる、そんな日常が当たり前になった現代。慧磁(けいじ)と得藻(えるも)、ごく普通の日暮坂兄妹が引っ越したは家はなんと地下に巨大なダンジョンが広がる場所だった。ひょんなことからそのダンジョンへと足を踏み入れた二人は、そこでダンジョンの秘密や魔王のことを知り……。
 『シースルー!?』の天羽伊吹清先生による新シリーズ『我が家のダンジョン』です。これはなかなか面白かったですね。残念なイケメン兄慧磁と妹の得藻が活躍するドタバタコメディ。あとがきによると、もともとは雑誌で掲載していたものに完結編をプラスした作品とのことです。
 それはそうと感想。イケメンなのに若干露出狂ぎみだったり、下ネタ言ったり、ビキニアーマを自分で着ようとしたりする変態で、さらにはいろいろと作中でアウトな慧磁と、そんな彼に(物理的に)突っ込みを入れる得藻の掛け合いが楽しかったですね。慧磁はまあなんというか人として残念すぎる(笑)けど、ところどころで格好いい姿もあって、なんだかんだで憎めない人物かと。
 ストーリーもテンポが良くて楽しかったですね。基本的にコメディなので気楽にさくさくと読めたかと。個人的には四天王の件に笑った。続きもあるようなので、次以降も楽しみです。
 印象に残った台詞(以下反転・割とネタバレです)――「私たちはまとめではなく、頭部のそれぞれ一つずつで四天王の座を各ひとつ与えられているのですよ」――四天王ケルベロスの台詞。四天王の話が出てきたあたりでページ数が少ないけどどうなんだろうと思ったら、斬新な四天王で笑った。