プログレス・イヴ

プログレス・イヴ 海羽超史郎 富士見ファンタジア文庫 2013年10月25日

☆☆☆☆☆
 『世界接続(ワールド・コネクト)』と呼ばれる事件により地球と三つの異世界が「連結」した時代。異世界の人間であるゴドー・シンは、地球へと渡った妹シーナを追って青蘭学園へと留学する。そこには異能に目覚めた少女たち――プログレスがいて日々ブルーミングバトルと呼ばれる特殊なカリキュラムを行っていた。シンはその学園で出会った少女・菜摘からチームの勧誘を受けて――。
 異世界とつながった地球で、特殊能力を持つ少年少女たちがその異能でバトルする物語『プログレス・イヴ』です。さっそく感想。これはまずまずな面白さでした。あとがぎによると元々「アンジュ・ヴィエルジュ」というカードゲームの世界を下敷きにしているとのことです。
 読んでいてまず思ったのが「なんかちょっと懐かしいな」ということですね。なんというか、どこか砕けた地の文とかその雰囲気が少し前の「ライトノベル」っぽい感じがしました。まあ単純に最近自分がそういった雰囲気の本を読んでいなかっただけかもしれませんが(苦笑)。
 それはそうと内容について。シリーズモノの1巻ということもあってか全体的に導入編といった感じでしたね。妹を追って地球へやってきたシンが、特殊能力で戦うブルーミングバトルに参加するためにチームを組むというのが一つの流れかと。シンや菜摘たちの和気藹々とした雰囲気が結構好みでした。
 ただ上でも書きましたが導入編とか序章編といった意味合いが強く、この巻だけですごく盛り上がるといった展開ではなかったですね。個人的にはもう少しバトルに分量がほしかったです。またラストもじゃっかん中途半端に思えてしまった部分もありました。とはいえ、今後の展開も気になるので、続きも読んでみたいです。