グラウスタンディア皇国物語

グラウスタンディア皇国物語 内堀優一 HJ文庫 2013年11月1日

☆☆☆☆☆☆
 5年前に隣国リジアと大戦を終わらせた七人の英雄<皇国七聖>。その一人である青年クロムは、かつて誓いを交わした姫君ユースティナからの招致を受けて王家へと向かう。再び開戦がせまるなか、クロムがとった作戦は……?
 『笑わない科学者〜』シリーズの内堀優一先生の新シリーズ『グラウスタンディア皇国物語』です。これはなかなか面白かったですね。
 まず主人公であるクロムが印象的でしたね。軍師としても戦士としても優秀な人で、それでいて飄々としていてちょっとつかみどころがない人物でもあったかと。あとあまり自分の感情を表に出さない印象もありました。そのせいか、この巻だけだと「なんのために戦っているのか」がいまひとつわからないところも。そのあたりは次巻以降でわかるのかな。
 ストーリーも面白かったですね。ところどころでクロムやフィフニス、ユースティナの掛け合いでクスリと笑いつつ、軍師としてのてクロムの活躍で最後まで楽しく読めました。今のところはそこまで重たいストーリーにはならなそうですね。
 クロムの妹として付き従ているリュリュのことや、途中のジルバ皇のことなど、いろいろと秘密もあるようで、これからどんな展開になるのか続きも楽しみです。