冥玉のアルメイン2

 冥玉のアルメインⅡ 菊池俊彦 ファミ通文庫2013年11月11日

冥玉のアルメインII (ファミ通文庫)

冥玉のアルメインII (ファミ通文庫)

☆☆☆☆☆☆
 王になることを決意した代王アルメイン。ガクルトの野望打ち砕いだ彼のもとに、連合国家ベールランドの構成国バリストン王国から使者がやってきた。姉であるヴィントレーアより先に、アルメインへの謁見を望んだその使者の少年は、自身もルドニア三世の息子であり王位継承権をもっていると主張。アルメインは一蹴するが、少年の同行者に死んだはずの姉の影を見て――。
 フィンメルハウゼン王国を舞台にさまざまな陰謀が渦巻く物語『冥玉のアルメイン』その2冊目です。今回もなかなか面白かったですね。
 感想を一言でいうと「ドロドロしてきたー」ですね。一癖も二癖もある登場人物たちが織りなす物語は、陰謀まみれでドロドロしているのだけど、どんどん引き込まれていきました。とくに今回はアルメインにとってはトラウマである姉ヒルトールートの影が、物語のあちらこちらに散見されて、どうなってしまうのだろうとドキドキしながら読んでました。
 それにしても上でも書きましたが登場人物たちが曲者ばかりですね。とりわけ今現在最大の脅威となりうるあの人物が怖い。しかもアルメインは、まだその脅威にまったく気づいてないですしね。その人物がどう動くのか、この先が怖すぎます。
 それはそうとあとがきにもありますが、「葛藤」を主軸にしているということで、個人的にはナリアが印象的でしたね。アルメインとのことで悩みに悩んで、そして起こした行動は……読んでいてなかなかつらかったですね。ナリアは好きな人物なので、少しでも報われてほしいなぁ。
 そんな感じで今回も楽しめました。続きも楽しみです。