東京レイブンズ4

東京レイブンズ4 あざの耕平 富士見ファンタジア文庫 2011年5月25日

☆☆☆☆☆☆
 波乱の進級試験を乗り越え、ついに2年へと進級した春虎たち。季節は春。新しい季節の始まりに胸を躍らす春虎だったが、新入生の入塾式で現れたのは……。他、春虎たちの陰陽塾での日常が描かれる短編集。
 若い陰陽師たちが活躍する「東京レイブンズ」その4冊目です。今回は前半が本編で、後半は短編4つという構成。(ほぼ)短編集なので、以下それぞれ簡単に感想を。
 まず本編……1巻で登場したあの人物(以下一応反転――1巻で登場した鈴鹿)が再登場。夏目の正体がばれないように春虎たちが奔走するお話。再登場の彼女はなかなか小悪魔ですね(笑)。そしてなにより素直じゃない。振りまわれる春虎にちょっと同情しつつ、彼女の素直じゃない姿にニヤニヤしてました。オチとその後の春虎「たち」がなかなか不憫だ(笑)。
 「アマガエルの日」……大友先生の課した課題で、離れると水を落としてくるカエルを頭に乗っけることになった春虎の話。ロッカールームで出来事に笑った。
 「ザ・メンズ・かぶりっちお」……2巻のあとで春虎たちと同じ男性寮に入寮した夏目。性別がばれないように作った簡易式が巻き起こす騒動のお話。オチがひどい(笑)。でもこれって考えようよっては、夏目にとってそれほど悪い話じゃないのかも。
 「エスケープfrom道玄坂」……ある日、一緒に買い物にいく春虎と夏目のお話。そっけなくしつつも内心デートだと思って浮かれている夏目が可愛いですね。まあ相変わらずのオチなのですが。春虎……不憫だ(笑)。
 「ブラッディー・ホリデー」……ある日先輩にデートに誘われた春虎。それを知った夏目は……という話。いや、これは笑った。この巻で一番好きかも。なんといっても夏目がひどい(笑)。あの冬児すら引くレベルで暴走している夏目が楽しすぎる。
 あとがきにも触れられてましたが、短編集は夏目が色々な意味で大活躍しているお話でした。あと春虎が不憫なお話だったかと。次も短編+本編とのこと。楽しみです。