グランクレスト戦記 1 虹の魔女シルーカ (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 水野良,深遊
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2013/08/20
- メディア: 文庫
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世界より秩序が失われた混沌の時代――。大陸を二分する二人の大公の死亡により君主たちはそれぞれ独立を強いられる。魔法師のシルーカは望まぬ契約のために旅立った途上で、君主のしるしである聖印を持つ一人の騎士と出会う。その騎士の名前はテオ。シルーカは半ば強引にテオと主従の契約を結ぶ。そして――。
『ロードス島戦記』『ブレイドライン』の水野良先生の新シリーズ『グランクレスト戦記』です。これはとても面白かったですね。
まずその世界観が良かったですね。災厄を呼ぶ混沌(カオス)や、その混沌を利用する魔法。君主の証である聖印、その聖印の取り合いで勢力を拡大していく君主、さらには君主と契約をする魔法師など、まさしくファンタジーと言った世界観が素敵です。
次にストーリーについて。望まぬ契約をさせられそうになったシルーカが、半ばヤケを起こした形で たまたま居合わしたテオと契約を結ぶことになるのですが、そこからの展開が良かったですね。最初はテオとシルーカ、彼女の従者アーヴィンの3人だけだったのが、トントン拍子に勢力を拡大していくのが楽しい。もちろんすべてが全て上手くいくはずもなく、だんだんとのっぴきならない状況になっていくわけですが……。後半で追い詰められたシルーカ達が、どうやってその困難を乗り越えていくのか、どきどきしながら一気に読めました。
また登場人物たちも魅力的ですね。最初は巻き込んでしまった責任からテオに仕えていたようなシルーカだけど、テオとの交流のなかで少しずつお互いの信頼関係を築いていくのが良かった。あと脇役たちも素敵です。個人的にはシルーカの姉のような存在であるアイシェラと、いつの間にかそのアイシェラの親衛隊長みたいになってるグラック隊長が好きだったり。
シリーズモノということで、これからどういった展開を迎えるのか続きが楽しみです。