フルスケール・サマー

フルスケール・サマー 永島裕士

フルスケール・サマー (電撃文庫)

フルスケール・サマー (電撃文庫)

☆☆☆☆☆☆
 そのまじめな性格のせいで中学時代から生徒会長などを押し付けられてきた少年・北条慶介。高校生になった夏――転校が決まった彼は、今度こそ普通の青春を送ると決意する。しかし、隣の席になった少し変わった少女・春日野鮎美に気に入られたことで、廃部の危機にある模型部を守るために協力を求められて――。
 廃部の危機にある模型部を守るために、少年たちが活躍する物語『フルスケール・サマー』です。これはなかなか面白かったですね。いい青春ものでした。
 舞台は近未来ですね。普通にロボット(無骨なボルテックや美少女型のヒューマテック)が出てきます。
 ストーリーは廃部の危機にある模型部(序盤での出来事があり正確には違うのですが)を守るために、模型部のOB達が作成していた作りかけのボルテック「ボナパルト」でロボットの大会エクストリームカップに出場することになり……といった感じかと。
 発見した「ボナパルト」は満足に歩ける状態ではなく問題山積みで、それを乗り越えたと思ったらさらに大会当日には予想していなかったことも起こり……と、なかなか大変な状況ですが、そんな中で仲間たちが一丸となって目標に向かって頑張る姿が良かったです。なんだか「青春だなー」と言った感じ。
 登場人物ではヒューマテックのカスミが好きですね。色々と気の利く頼れるお姉さん的な存在ですが、市販機に対抗意識を燃やしたり、自分の順位を気にしたりとちょっとお茶目なところが素敵です(笑)。
 まとめ。終盤の展開はちょっとあっさりと言うか、思っていたのとは違う方向に行った感じはありましたが、それでも仲間達と頑張る「青春モノ」として最後まで楽しめました。次があるのなら、続きも読んでみたいです。