エーコと[トオル]と真夜中の落雷少女

エーコと[トオル]と真夜中の落雷少女 柳田狐狗狸

☆☆☆☆☆☆
 深夜の学校を不審者が徘徊しているという……。その不審者と疑われた[エーコ]は、疑いを晴らすべく深夜の学校へと忍びこむ。しかしそこで見たのは、屋上で焼けただれた少女だった。
 ひねくれた少女[エーコ]と喋る人体模型[トオル君]が繰りなす物語『エーコと[トオル]と真夜中の落雷少女』です。今回もなかなか面白かったですね。
 前回の最後の方で[トオル君]のことに対して状況が進展していたわけですが、それを踏まえたうえで会話する[エーコ]と[トオル君]の掛け合いが面白いですね。てか、二人ともいい性格していると思う(笑)。とくに[トオル君]。
 序盤の部屋に閉じ込められてからの[エーコ]の脱出劇が楽しかったですね。[トオル君]じゃないけど、思わず笑いが。とはいえ、ストーリー自体は結構重たいです。前回以上に[エーコ]の心情にスポットが当たっていたかと。
 色々と冷めたものの見方や諦めた思考をする彼女だけど、芽生えた感情に困惑しつつ、相変わらずの行動力で自身の疑いを晴らそうとする姿が印象的です。なにを書いてもネタばれしそうなので詳しくは書きませんが、読んでいて「不器用だなー」って気分になりました。
 前回同様どこかほろ苦いラストも印象的でした。続きも楽しみです。