冥玉のアルメイン

冥玉のアルメイン 築地俊彦

冥玉のアルメインI (ファミ通文庫)

冥玉のアルメインI (ファミ通文庫)

☆☆☆☆☆☆
 母が国王に見初められ、フィンメルハウゼン王朝の一員となったアルメイン。しかし母の死を知ったある日、長姫ヒルトルートとの出来事から、王家のおぞましさを痛感し宮殿を抜け出してしまう。それから8年。大陸中を放浪していたアルメインは妹メリアの来訪を受けて、しかたなく宮殿へもどるが……。
 『まぶらほ』『けんぷファー』などの築地俊彦先生の新シリーズ『冥玉のアルメイン』です。これはなかなか面白かったですね。
 とある出来事から王家を抜け出したアルメインが、姉のヒルトールからの知らせを受けやむなく戻ることになり、王家の跡目争いに巻き込まれることになって……といった感じでしょうか。登場人物が皆個性的で癖のある人たちばかりですね。「まとも」な人があまりいない気がする(笑)。その中でアルメインの妹の一人のメリアが好きですね。騎士の誓いを立てたその日に兄であるアルメインが王宮を逃げ出すというある意味「裏切り」を受けているわけですが、それでも一途にアルメインを守ろうとする姿が良かったです。
 王家内に陰謀が渦巻いていますが、鬱展開とかには(今のところ)なってないですね。策謀や陰謀が絡み合うなかで王になると決意したアルメインが妹のメリアやメイドのカリーンの助力を受けながら行動していく展開が面白いです。
 これからどういう展開を迎えていくのか、続きも楽しみです。