かくて滅びた幻想楽園

かくて滅びた幻想楽園 手島史詞

☆☆☆☆☆☆
 神獣によって支配統治された世界。そこは神への絶対の服従を条件に、幸福や平和が約束された場所だった。そんな中、神獣の支配に対抗する組織<ウーロニクス>に属する少年・リューは、自らを盗賊と名乗っていた。そんな彼は心を閉ざした少女クレアーレと出逢いその笑顔と希望をとりもどすことを決意するが……。
 神獣に支配された世界で盗賊を名乗る少年リューが活躍する物語「かくて滅びた幻想楽園(ディストピア)」です。これはなかなか面白かったですね。
 まずテンポが良かったです。分量的には300ページくらいあるのですが、読みやすい文体とぽんぽん動く展開でサクサク進めたかと。ただ反面すごく盛り上がるといった展開ではなかったですね。
 登場人物では主人公であるリューが好きですね。ある種単純な思考なのだけど、うじうじすることなく即断即決といった感じが好印象でした。
 テンポの良さにひっぱられながら楽しく読めました。続きも楽しみです。