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ff1フェアリー・ファイル 冴木忍 富士見ファンタジア文庫 2010年7月25日

ff1  ―フェアリー・ファイル― (富士見ファンタジア文庫)

ff1 ―フェアリー・ファイル― (富士見ファンタジア文庫)

☆☆☆☆☆☆
 職を探していた少女バールに舞い込んできた家庭教師の仕事。住み込みで条件も良かったので、ふたつ返事で引き受けたパールだったが、その家には<妖精>いたり、絵が動いたりする普通じゃない場所だった。しかも、妖精を見たという話を教え子であるミルドレットとお付きのハウスキーパーのロファルカは取り合わず・・・。そんなおり、お嬢様が貴族の夜会に招待されて、その付き添いとしてパールも参加することになり――。
 『天高く、雲は流れ』や『リュシアンの血脈』の著者冴木忍先生による新シリーズ『ff』です。これはなかなか面白かったですね。
 少しだけ特殊な力を持つ主人公パールをはじめメインの登場人物達の掛け合いが楽しかったです。特にお互いに口を開けば皮肉のぶつけ合いみたいになるパールとミルドレットのやり取りが面白い。パールは立場上は雇われの身だけど、意外としたたかというか図太いというか(笑)。あと、喋るインコのエージャスも好きだったりします。こちらも口が悪いけど、どこか憎めないです。
 ストーリーのほうも面白かったですね。すごく派手とか、熱い展開あるというわけではないのですが、安定していて最後まで楽しめました。
 いろいろと秘密もあるようなので、これからも楽しみです。