漂う書庫のヴェルデ・テラ(3)

漂う書庫のヴェルデ・テラ(3) 川口士 富士見ファンタジア文庫 2010年6月25日

漂う書庫のヴェルテ・テラ3 (富士見ファンタジア文庫)

漂う書庫のヴェルテ・テラ3 (富士見ファンタジア文庫)

☆☆☆☆☆☆
 自らの目的を果たすため、ジグウォルは単身『聖堂』へとやってきた。そこで出会ったのは かつて幼き日を共に過ごした少女サリナだった。兄の死の真実を知るためにジグウォルに詰め寄るサリナ。それに対しジグウォルは……。一方、置いていかれたレジィナもまた、『聖堂』へと向かっていた。
 本好きで星導(ストラ)の使い手であるジグウォルと、彼と契約した本の精霊レジィナが活躍する『漂う書庫のヴェルテ・テラ』その3冊目です。今回もなかなか面白かったですね。
 前半はついに復讐のために『聖堂』へと乗り込もうとするジグウォルメインのお話でした。復讐とはいっても所々にくすりと笑えるような展開もあって、すごく重苦しいとかっていう雰囲気にはならなかったですね。
 中盤からはレジィナサイドもあって、それが良かったですね。ジグウォルがいなくなり、いままで以上に彼女の心情が語られていたかと。あと、レジィナと一緒に行動することになったソコートとデルミッシュがいい味だしてました。とくにデルミッシュのあれな言動には思わず笑いが。  
 それにしてもジグウォルは不器用ですね。サリナとの掛け合いでは特にそう思いました。一言伝えればなにか違う展開になりそうなのに、何も語らないからなー。意外と自分の中にため込む人なのかも。
 今回の件を経て、ジグウォルが進む道がよりはっきりしてきた感じなので、これからどういった展開になるのか続きが楽しみです。