神さまのいない日曜日

神様のいない日曜日 入江君人 富士見ファンタジア文庫 2010年1月25日

神さまのいない日曜日 (富士見ファンタジア文庫)

神さまのいない日曜日 (富士見ファンタジア文庫)

☆☆☆☆
 15年前。神様は世界を捨てた――。その時から、人は生まれなくなり、そして死ななくなった。死者が歩き回る時代のなかで、死者に安らぎをあたえる存在<墓守>。12歳のアイはその墓守だった。小さな村で、優しい村人たちに囲まれて楽しく過ごしていた。しかしそんな日々は、一人の少年との出会いによって終わりを告げるのだった。
 第二十一回ファンタジア大賞<大賞>受賞作で、入江君人先生デビュー作となる『神さまのいない日曜日』です。さっそく感想。これは悪くはなかったのですが、自分には少し合わなかったですね。
 まず一番気になったのは序盤の展開。村に起こった事態の当事者である少年・ハンプニ―へのアイの態度ですね。なんていうか「え?」って感じでした。どうしてそういう風になったのか上手くつかめず、なんともいえない違和感がありました。
 そして序盤でそういう違和感があったせいか、その後も置いていかれている観があって、少し乗り切れないまま終わりを迎えていました。
 ただ、終盤のテンポのいい掛け合いは好きだったりします。とくにアイとユリ―のやり取りは、ちょっと笑いが。
 そんな感じで、楽しめた部分もありつつも、少し自分には合わない作品でした。