シュガーダーク

シュガーダーク 埋められた闇と少女 新井円待 角川スニーカー文庫 2009年12月1日

☆☆☆☆☆☆
 えん罪により逮捕された少年ムオル。彼は人里離れた共同霊園で、墓穴を掘る毎日を送っていた。そんなある夜、ムオルは一人の少女と出会う。自らを墓守と名乗るその少女・メリアに興味を覚えるムオルだったが、ある日自らが掘っている墓穴の秘密を知ってしまう。それは、人類の敵・死なずの怪物ザ・ダークを埋葬するための墓穴で……。
 第14回スニーカー大賞<大賞>受賞作『シュガーダーク』です。これはなかなか面白かったですね。
 ストーリーは冤罪により逮捕された少年が、人類の敵・ザ・ダークを埋葬しているための墓穴を掘らされて、そこで一人の少女と出会う――そんなボーイミーツガールものだったかと。
 全体的に暗い雰囲気を纏っているのですが、そんな中でもムオルとメリアの交流はなんだか微笑ましいものがありましたね。少しずつ変化していくムオルの心情が印象的でした。
 派手な展開とかはなくて どちらかというと地味な印象ですが、「どうなるんだろう」と先が気になって、最後まで飽きることなく楽しめました。終わり方も良かったです。