世界平和は一家団欒のあとに(9)

世界平和は一家団欒のあとに(9) 宇宙蛍 橋本和也 電撃文庫 2010年2月10日

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 星弓家最強の次女・七美。そんな姉から突如一人の少女を預かってほしいと頼まれた軋人と柚島の二人。ソーダ色の髪をしたナナといとう少女は、七美が惑星探索のおりにつれてきたものだという。とりあえず柚島宅で預かることになり、軋人たちはどちらがナナに懐かれるか競い合っていった。ところが、あたりには不穏な気配が漂いはじめ……。
 特殊な能力を持ち世界を救う運命のある星弓家の面々が活躍する『世界平和は一家団欒のあとに』その9冊目です。さっそく感想。とても面白かったです。
 今回は最強クラスの力を持つ次女・七美に焦点があたっていたお話だったかと。最強にして傍若無人で やることなすことが滅茶苦茶な七美ですが、その背景で彼女の背負っているもの重さや、抱えている思いなどが印象的でした。
 それはそうと、軋人と柚島さんの二人は相変わらずのようで。この二人のやり取りにはニヤニヤが止まりません。ナナの前での「アレ」も良かったけど、最後の会話が素敵すぎる(笑)。
 笑えるところは笑えて、それでいてこのシリーズらしい暖かくなるような展開で、最初から最後まで楽しめました。あとがきによると次がラスト(実際はわかりませんが、ただ、終わりには近そうです)のようなので、どのような展開を迎えるのか、すごく楽しみです。