D-breaker

D-breaker 二階堂紘嗣 MF文庫J 2009年12月31日

D-breaker (MF文庫J に 2-4)

D-breaker (MF文庫J に 2-4)

☆☆☆☆☆
 <歪曲>とは世界の事象を悪意的に改ざんすること。<歪曲>に対抗する組織「重層世界調律機関」に属する高校生・優馬。見習である彼に課せられた任務は、歪曲師イーサン・ソルトウォータを追跡すること。そして彼は、任務の途中で銀髪の少女ノエルと出会い……。
 『ナインの契約書』の著者二階堂紘嗣先生の新シリーズ『D-breaker』です。ちなみに『ナインの契約書』は未読。それはそうと感想。これはまずまずな面白さでした。ただ、若干盛り上がりに欠けているように感じたりもしました。
 ストーリーは「重層世界調律機関」の見習の少年が、銀髪の少女ノエルと共に歪曲師イーサン・ソルトウォータを追っていくが……といった感じかと。割とオーソドックスなストーリ―展開だったかと。
 ただ、個人的にはもう少し各人の心情とか、背景とかを描いてほしかったという思いもありました。とくにノエル。彼女の心情はあまり触れられていないので、その影響か優馬の行動がすこし突発的というか独りよがりみたいに映ってしまいました。まあ、このあたりはシリーズの1冊目だからなのかもですが。
 全体的にあっさりしていて少し盛り上がりに欠けて感じましたが、シリーズ1冊目でもあり、並行世界とか特殊能力系の話は好みなので、続きも読んでみたいです。できれば並行世界がもう少し関わってきてほしいかも。