こもれびノート

こもれびノート しやけ遊魚 HJ文庫 2009年12月1日

こもれびノート (HJ文庫)

こもれびノート (HJ文庫)

☆☆☆☆☆
 御神木の精霊ミミコに出会い、呪の力を得た少年・法斗。その彼の前に現れたのは暴言を吐きまくる美しき少女・久玖瑠(くくる)。彼女は不思議な力で法斗の「妹」に成りすまし……。
 第3回ノベルジャパン大賞奨励賞受賞作しやけ遊魚先生作の『こもれびノート』です。これはまずまずな面白さでした。ただ、面白いと思う部分もある反面、合わないなと思ったところも結構あったというのが正直な感想です。
 面白かったのは登場人物たちの掛け合いですね。法斗とミミコのやり取りや、傲慢な久玖瑠との掛け合いは、漫才みたいで読んでいて楽しかったです。とくに久玖瑠に振り回される法斗という図がいい感じでした。
 一方で、メインとなるストーリーはちょっと合わなかったですね。いまいち何を中心にしているのかが分からなかったです。正直主人公あんまり関係ないような……。あと、久玖瑠が理路を遠ざけている理由も「えー」と首を傾げるような理由だったように思えました。
 そんな感じで漫才のような掛け合いが楽しい反面、ストーリーは合わなかった、そんな作品でした。