無限のリンケージ(2)

無限のリンケージ(2)ーディナイス・ザ・ウィザードー あわむら赤光 GA文庫 2009年11月30日

無限のリンケージ 2 -ディナイス・ザ・ウィザード- (GA文庫)

無限のリンケージ 2 -ディナイス・ザ・ウィザード- (GA文庫)

☆☆☆☆☆☆
 宇宙時代の決闘競技BTR。そのトップリーグ入りを果たしたラーベルトたち。しかし、苦戦が続き現在の戦績は4敗1分。しかも、次の対戦相手はトップリーグに君臨し続ける大ベテラン「魔術師ディナイス」だった。気持ちばかりが焦るラーベルトとチームスタッフたち。そんな彼らの前に謎の少女・セシリアが現れて……。
 特殊な力場を発生させる3つのリングを攻撃・防御・移動用などに活用して戦う人気競技BTRに参加しているラーベルト達の物語『無限のリンケージ』その2冊目。今回もなかなか面白かったですね。
 今回は過去の話がないぶん、BTRという競技とラーベルトのチームにも焦点が当たっていたかと。なかなか個性的なメンバーでした。とくに印象的だったのは「ござる」口調のコーチ(女性)ですね。のほほんとした空気を纏っていて和みます。しかも、実際はなかなか喰えない人物のようで……。
 それはそうと、序盤、中盤は落ち込んだり、デートしたりと、わりとのんびりした展開だったかと。ラーベルト側が落ち込んでいて暗い分、対戦相手側のディナイスが色々と楽しませてくれます。楽しい人だ(笑)。
 そして、終盤の展開は、一転。復活したラーベルトはもちろん、相手側のディナイスも格好よかったですね。お互いの全力を出した激闘は読んでいて熱くなります。
 面白いので、これからも読んでいきたいです。
 印象に残った台詞(以下反転)――「ならば、その意気に応えてやるのが老兵の義務よ」――ディナイスの台詞。復活したラーベルトの口上を聞いての台詞です。いやぁ、これは格好いいですね。20年以上もBTRの世界に居続ける男だからこそ言える言葉だと。