サイレント・ラヴァーズ(3)

サイレント・ラヴァーズ? 作戦名(大蛇) 吉村夜 富士見ファンタジア文庫 2007年11月25日

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 連合軍最大の作戦、セキレイ攻略が始まった。その要となる作戦のため、とある極秘任務についたアラシ率いる第七小隊。戦争が終わるかもしれない――。そんな期待を抱きながら極秘裏に出撃する。しかし、完璧だったはずの作戦は、既に敵に洩れていた。一方、ヒバナはアンタレスがセツナなのかもしれないと想い・・・。
  肉体を失い、鋼鉄の悪魔ディアブロにされてしまった少年セツナと、その恋人で戦争に徴兵された少女ヒバナディアブロの正体を知らない)の物語『サイレント・ラヴァーズ』その3冊目です。今回もとても面白かったです。
 戦争の終わりが見えてきて、それぞれに希望が出てきたとき、セツナもまた「これから」を考え始めたのというのが印象的でしたね。ただ、それを考えるとき なにより先ずヒバナのことが浮かぶのがなんとも切ないですね。しかも、今回はそのヒバナはセツナがアンタレスなのではないかと疑い始めたので、ヒバナのことを思っての彼がとる行動は読んでいてつらいものがあります。
 それはそうと、今回はセツナが「戦争」について考えている部分が多かったですね。特に終盤明らかになった「真実」に対しての心情が印象的でした。
 ラストで衝撃の展開があり、次の最終巻でどうのような結末を迎えるのか楽しみです。