相克のフェイトライン

相克のフェイトライン 翅田大介 HJ文庫 2009年5月1日

相剋のフェイトライン (HJ文庫)

相剋のフェイトライン (HJ文庫)

☆☆☆☆☆☆
 近未来。謎の怪物「幻影獣(ファントム)」が現れるようになった世界。そして同時に、人間のなかに不思議な力を持つものが現れた――そんな時代。なんでも屋を営む真神キョウジの前に突如降ってきた少女ナイン。彼女はキョウジにある依頼をしてきた。全てを見透かすような瞳をしたナインを気に入らないキョウジだったが、その依頼を受けることにして・・・。
 『カッティング』の著者翅田大介先生の新シリーズ『相克のフェイトライン』です。これはなかなか面白かったですね。近未来を舞台にした異能者たちの物語かと。
 ストーリーは、炎を操る力を持つキョウジが、不思議な少女ナインの依頼を受けて追ってから逃げながら封鎖された東京へ向かう・・・といった感じのもの。こういった異能バトルものは結構好みなので、楽しく読めました。ただ、読んでいてなぜか「スク○イド」が頭にちらついて離れなかったですね(笑)。炎を扱うキョウジとか、そのライバルのジンの立ち位置とかがなんとなく「あの2人」を彷彿とさせたからかも。まあ、別に面白かったから なんでもいいんですけどね。
 それはそうと、個人的にはキョウジが好きですねー。見た目とかその雰囲気から、頭を使わない単純な人ってイメージだったのですが、ところどころで知的な部分を見せてくれて、それが印象的でした。
 とまあ、そんな感じで最後まで楽しめました。シリーズモノということで、これからどういう風に展開するのか、続きが楽しみです。