白夢(スノーミスト)

白夢(スノーミスト)放課後の霧使い 瀬尾つかさ 富士見ファンタジア文庫 2009年6月25日

白夢 放課後の霧使い (富士見ファンタジア文庫)

白夢 放課後の霧使い (富士見ファンタジア文庫)

☆☆☆☆
 4年前より過去の記憶を亡くした少年・深森榮一。全寮制の白雲学園へ転校した榮一は、そこで霧とともに現れる<はぐれ>という化け物と、それから学園を守る霧使いたちの存在を知る。しかも、榮一もその霧使いとしての能力を持っていて・・・。
 「クジラのソラ」の作者瀬尾つかさ先生の新シリーズ「白夢(スノーミスト)」です。さっそく感想。これは割と好きなタイプの話だったのですが、どこか乗り切れない部分がちらほらとあった、そんな作品でした。
 記憶喪失の主人公榮一にイマイチ感情移入できなかったですね。家族のこととか割とシリアス方向なことを考えているわりには、どこか軽めな一人称(この作品は榮一の一人称形式なのです)が多くて、なんだかチグハグな印象を受けました。また、全体的にちょっとあっさりしているような気も・・・。
 そんな感じで少し乗り切れない部分があった作品でした。とはいえ、好きなタイプの作品ではあり、また、気になる部分で終わっているので、続きは読んでみたいです。