無限のリンケージ

無限のリンケージ　―デュアルナイト―　あわむら赤光　GA文庫　2009年5月31日

無限のリンケージ -デュアルナイト- (GA文庫)

☆☆☆☆☆☆
　時は宇宙時代。３つのリングを使って戦い勝敗を決めるその競技は人気スポーツとして人々を熱狂させた。16歳のサクヤはその競技BTRにおいて選手であるロバートをサポートするメカニックをしていた。自らのスタイルを貫き戦い抜くロバートに、密かな憧れを抱くサクヤだったが、当のロバートはどこか掴みどころがなくて・・・。そんな中、ロバートのトップリーグ入りを決める大事な一戦が近づいており・・・。
　第１回GA文庫大賞・奨励賞受賞作『無限のリンケージ』です。これはなかなか面白かったですね。
　時は、宇宙時代。特殊な力場を発生させる３つのリングを攻撃・防御・移動用なのに活用して戦う人気競技BTR。その選手であるロバートとメカニックであるサクヤの物語かと。なんといってもこのサクヤが良かったですね。若干１６歳の天才少女で、クールビューティを自称しているけど、実際はひそかに惹かれているロバートとのやり取りなどで浮かれたり、にやにやしそうになっているのを堪えたりしている姿がなかなか可愛いです。また、脇を固めるベックス先輩もいい感じな人でした。
　それはそうと、ストーリー自体は割と重たい方向に行きましたね。「彼」の過去の話を交えつつ、現在での戦いが同時に並行していくタイプの話でした。とりわけ、いろいろなことが明らかになってからの、終盤の展開が印象的でした。
　今回は過去の話が多くをしめていたこともあり、ロバートとサクヤのやり取りが少なかったりチームメイトたちとの掛け合いもあまりなかったので、続きがあるのなら そういった部分も期待したいです。