晴れた空にくじら(2)

晴れた空にくじら2 戦空の魔女 大西科学 GA文庫 2009年1月31日

☆☆☆☆☆☆
 なんとか祖国へと帰った雪平たち<峰超>の面々。しかし、なんの因果か、いまや日本鯨軍に組み込まれ、敵と戦うために空に浮いている状態だった。目の前に現れた敵船。それは、どこか現実感の薄い戦争が、ほんとうの意味で始まった瞬間だった。
 「浮鯨」という生き物から採れる「浮珠」を利用した「浮船」という空中船が存在する世界での物語『晴れた空にくじら』その2冊目です。今回もなかなか面白かったですね。
 相変わらず独特な雰囲気が印象的ですね。ことは戦争なんだけど、雪平が割とのんびりとした性格(だけど、わりと感性は高いんじゃないかと思ってます)だから全体的にどこかまったりしていたかと。とはいえ、状況的には予断を許さぬもので、とりわけ中盤以降の展開はのんびりしつつ(主に雪平の思考が)も緊張感があって良かったですね。
 また、雪平とクニのやり取りも良かったです。時折顔をのぞかせる不器用なクニが素敵だ(笑)。
 そんな感じで、今回も楽しめたので、これからの展開にも期待です。