オルキヌス

オルキヌス 鳥羽徹 GA文庫 2009年4月30日

☆☆☆☆
 オルカと呼ばれる幻獣が棲む島オルキヌス。そのオルキヌスへ新人調停員として派遣された稲朽深弦は初めてみるオルキヌスの姿へ感動していた。ところが、そんな彼女を待っていたのは師事するはずだった先輩調停員・秋永壱里の失踪の知らせ。呆然とする深弦だったが、なんとか気をとりなおし壱里調停員のパートナーだったオルカ・オリーブとともに調停員として働くことを決めたのだった。
 第1回GA文庫大賞受賞作『オルキヌス』です。幻獣の棲むオルキヌスを舞台に言葉を武器にトラブルを解決していく調停員深弦が活躍する物語。では、さっそく感想。これは悪くはなかったのですが、どうにも違和感があって少し乗り切れませんでした。
 印象的なのは、オルキヌスに住むオルカたちですね。なんていうかいろいろと個性が突き抜けていて、読んでいてクスリと笑える部分があったかと。個人的にはパソコンを使うマーメイドが印象的でしたね。なんとも現代的だ(笑)。
 とまあ、それはそれとして。自分が合わないと感じたのは調停員としての仕事の部分ですね。オルカ間でのトラブルを言葉でもって調停するというのは分かるのですが、やっていることが説得というよりだまし討ちに近いのはどうなんだろうかと思ったりしました。また、深弦がオルカに対してなんの脈絡もなくぶっきらぼうな言葉使いなのもちょっと違和感がありました。まあ、基本はコメディとのことなので、自分が気にしすぎなだけなのかもしれませんが(苦笑)。
 そんな感じで、自分には少し合いませんでした。