HURTLESS/HURTFUL

HURTLESS/HURTFUL ハートレス/ハートフル 清水マリコ MF文庫J 2009年2月28日

Hurtless/hurtful (MF文庫 J し 2-7)

Hurtless/hurtful (MF文庫 J し 2-7)

☆☆☆☆☆☆ 
 人助けをしたことによって意識不明になってしまった兄ゆずる。弟の玲夫は、それ以来マスコミに追われ、クラスメイトには敬遠されるという生活を送っていた。そんなある時、ゆずるの心から脱獄してきたという少女と出会う。最初は信じていなかった玲夫だったが、彼女の言動にゆずると通じるものを感じて・・・。

 意識不明になった兄から脱獄してきたという少女が現れる『HURTLESS/HURTFUL』です。これはなかなか面白かったです。
 まずなんといってもその雰囲気が素敵でしたね。基本的に淡々としていて、それでいて玲夫と脱子、蓉とのやり取りは読んでいてどこか心弾むような感じだったかと。個人的にはどこかミステリアスな蓉さんが素敵でした。
 また、メインとなるストーリーも面白かったですね。だんだんと明らかになる真実と、紡がれる 少し切ないようなラストが印象的でした。彼らの「これから」を考える余地のある読後感も良かったです。