彩雲国物語(3)

彩雲国物語 花は紫宮に咲く 雪乃紗衣 角川ビーンズ文庫 2004年8月1日

彩雲国物語―花は紫宮に咲く (角川ビーンズ文庫)

彩雲国物語―花は紫宮に咲く (角川ビーンズ文庫)

☆☆☆☆☆☆
 国試に受かり念願の官吏へとなった秀麗。しかし、彩雲国初の女性管理に周りは視線は冷たく・・・。そして、とある男の陰謀が秀麗たちに迫っていた――。
 『彩雲国物語』その3冊目です。今回もなかなか面白ったですね。
 今回は念願かなって官吏となった秀麗が、他の官吏や上官からの嫌がらせを受けつつも、頑張るお話かと。まあ、いやがらせといってもどこか子供じみているから、暗い展開にはならないのだけど、やっぱりそれをやられている本人とすれば辛いわけで、それでも必死に頑張る秀麗たち(秀麗ほどじゃないけど、同じように嫌がらせを受けている影月)の姿は読んでいて応援したくなりますね。
 また、とある男の陰謀劇(?)のほうも楽しめましたね。まあ、役者が違いすぎたので相手になっていなかったですが。紅家は恐ろしい(笑)。
 まとめ。魅力的な登場人物たちの掛け合いにくすくす笑ったり、頑張る秀麗たちを応援したりしながら、最後まで楽しめた作品。これからも楽しみです。
 印象に残った台詞(以下反転)――「や、やめてください!お願いです私はもう妻と子を裏切るわけには!」「わたしの平穏な人生をかき乱すのはもうよしてください〜!」「この歳で、ここまで官位が上がったのにうっかり坊主にはなりたくないです」「わ、わしは夏に生まれる初孫を見るまでぽっくり逝くわけにはいかんのじゃ〜!」――とある展開から黄奇人が仮面を外そうとしたときの高官たちの台詞。なんていうか、「そこまでいうかー」ってくらいの高官たちの慌てっぷりに思わず笑いが。楽しすぎる(笑)。