月色プラットホーム

 月色プラット 水口敬文 一迅社文庫 2009年2月1日

月色プラットホーム (一迅社文庫 み 2-1)

月色プラットホーム (一迅社文庫 み 2-1)

☆☆☆☆☆☆
 片田舎を走るローカル線。そこには真夜中になると幽霊列車が出るという。高校生の匠海はそんな噂をまったく信じていなかったが、幼馴染の少女・綾芽に引きずられる形でやってきた深夜の駅で本当に「幽霊列車」と遭遇してしまう。そこで出会ったのはドジな車掌・紗月と、横柄な態度の運転手・白塚の2人だった。なりゆきで紗月の頼みをかなえた匠海は、しばらく「幽霊列車」の業務を手伝うことになるのだった。

 『憐』や『ウィッチマズルカ』の作者水口敬文先生の新作『月色プラットホーム』です。これはなかなか面白かったですね。ひょんなことから幽霊少女と出会い「幽霊列車」の業務を手伝うことになった少年のお話。
 これは登場人物たちのやり取りが楽しかったですね。とくに幽霊少女の紗月がいい感じで、中盤以降、綾芽を加えてのアプローチ合戦(?)は読んでいてすごく楽しい。でも、その紗月の行動(というか感情?)って、今後の(シリーズ化するなら)不安要素にもなりそうですね。
 それはそうと メインのストーリーは、中盤くらいの展開から暗い方向に行くのかなーと思っていたのですが、実際はそうでもなかったですね。どちからというと終始やさしい雰囲気が流れていたかと。 
 理由付けがあるとはいえ、匠海の鈍感さにちょっと「えー」と思わなくもないですが、基本的に楽しめたので、次があるなら読んでみたいです。